打ち合わせにて・・・
2021/1/7
先日都心の高台にあるビルに行ってきました。財閥デベの立派なビルです。
エントランスは広々としていて、ツヤのある大理石が敷き詰められており、立派なアレンジメントがモダンな壺に活けられている。エレベーターは低層・中層・高層で分かれており、裸足で歩けるくらい掃除の行き届いたカーペット貼りのオフィスフロアです。来るのは初めてではないのですが、久々に来て改めてこの手のオフィスビルの素晴らしさを体感しました。毎日朝決まった時間にここに勤めたいかどうかはまた別の話です。それは個性によるところですから。
さておき。今回は打ち合わせで来たわけですが、興味深い現象に遭遇しました。
通常、裏方のセクターはいくつかありますが、代表的なものは
A. 1次生産者(開発・育成)
と
B. 2次生産者(加工・商品化)
これらがメインとなって居ると思います。
通常ビジネスの話になるときにAとA BとBが取引ということにはなかなかならないと思います。大抵はAとBが取引をすると思います。
しかし、昨今業界情勢が変わってきて、Bの存在意義を再定義しなければいけないところに来ています。AはBを兼ねることもできてしまうわけです。
そんなことが常識になってる中、
我々は、 「大きなAの中にある、いちB部署」という立場で、
打ち合わせ先「大きなBの中にある、いちA部署」と話をしました。
Aの関わるテリトリーが多岐に渡りすぎてるため、過去の商慣習や契約フォーマットではカバーしきれない部分が出まくってます。言ってしまえば競合してるわけです。例えばですが、YouTuberが音楽デビューするとき、これまでの商慣習を元にした契約フォーマットだと、というか、そういう上司がいたとしたら「YouTube上の音楽活動についてもウチのコントロール下に置かせろ」と言ってきます。「1から数百万フォロワーの基盤を築いたのはYouTuber個人の功績だ」ったとしてもです。途中から来て「うちで音楽やりたいならお前の持ってるものをコッチに渡せ」と言ってくるわけです。なので、そこでディールが壊れてしまうことがまぁあるそうです。
このケースは、Bを専業としている組織の場合です。肩をもつワケではないですが、彼らのロジックも分からんではないです。当然、現場担当の本意ではないと思いますが。商慣習が昨今の状況を想定していないものですから、無理もないです。
ただ、我々はあくまでも「コンテンツ開発」という認識しかありません。むしろ最初から下馬評ブチ上げといて頂いてありがとうございますという感じです。
「デビュー後のYouTubeは・・・」
「ああ、もうそれは、大いにやって下さい、だいたいあとから来たウチが今ブンどった所で運用できませんし。そこでの人気がこっちにも来たらいいわけですから、一緒に太りましょう」
あくまでも主役は「お城」です。我々は城下町で木刀、手裏剣、十手のキーホルダーなどを売るお土産屋さんなのです。幸い、我々の金主がお城のデベロッパーで、大量の築城、観光地ビジネスをやっている背景があったので、先方の立場も尊重できるし目先の陣取りゲームに興味がなかったから、おおらかで大局的な物言いをすることができたわけです。そしてお城はお城で、せっかく良いお城なので観光地化してそこからの上がりを生み出したいというニーズがあったわけですから、利害は一致してるわけです。そしてお城のファンが「グッズがあれば集めたい」と言ってくれてるのだとしたら。
自分でやれば? →ノウハウと設備がない
親会社にあるでしょ? →様々な要因で手をあげてくれない
私はよく「遠い親戚より近くの他人」という言葉を思い出します。
セクショナリズムの論理とオンライン商圏についてのお話でした。