東新レゾナント

せやかて工藤静香

太陽フレアで磁気嵐が吹き荒れる中からお届けします。いかがお過ごしでしょうか。普通なら見れないような場所でオーロラが見えただなんだでちょっとした騒ぎになってました。磁気嵐で色々なシステムに影響が。とか言って煽ってる人がいたのでワクワクしてたんですがあんまり大したことはなかった。マップを開けば最悪なことに自分の居場所がかなり正確に出る。USAが常に私を監視している。

さっきこんなツイートを見ました。
「晴れた日は文庫本と喫茶店代だけ持って外に出ると良い」的なやつです。これに「結局スマホいじって1ページも進まずに帰ることになる」みたいな引リツがついていてあなたは私ですか状態でした。磁気嵐であらゆるSNSが粉々になればずっと本が読めるのに。と思いました。粉々になるのはSNSだけね。人類の阿片。AWSが粉々になるとKindleが全部なくなるので困ります。今日もこうしてSNSで本の情報を取ってるせいで今月もまた本が積み上がっていきます(もうとっくに無理な量積みあがりきっていますが)。三体IIだってまだ最初の数ページしか読んでないのに。
積み上がる予定のタイトル

・秘密解除 ロッキード事件
・リーマンの牢獄
・東京いい店はやる店
・航空管制 知られざる最前線
・最後にして最初の人類
 (スターメイカー)
・聖典クルアーンの思想

一部6月発売のものも混ざってますが、今月これ。読める気しないでしょ。

悪趣味

って何かありますか?私はGWの渋滞中継を見ながら寝落ちするのが好きという悪趣味があります。先週はそれで存分に楽しむ事ができました。ニュースで「最大45キロ」みたいな文字列が並ぶと興奮します。それを家で見ながら飲む炭酸水が美味しいんですよ。最悪な趣味でしょ。

人が楽しんでるものを外から悪趣味だなんだという趣味は無いのですが、爆食いをして朦朧とするのを「至る」と言うんだそうです。ツイッターでちょっとした話題になってます。血圧の乱高下で起こる意識の変容を「整う」と言ったりしますが、その類だと言われています。古くからある似た言葉としてはストーンだとかキマるとかそんな感じでしょうか。そういやどれも酩酊カルチャーですね。色々ハイレゾになるし、タイムラインのスピードは年々早くなってきて、タイパ・万バズの世の中です。いよいよ支障をきたすレベルで情報過多社会の歪みが。(?)

それを切断する娯楽として金がかからず1人でできる手軽な快楽。今後も増えていくでしょう。トー横のガキがやってるブロンもその流れの一つかもしれません。これからはヘロインの時代がカムバックする(アメリカンギャングスター)。いやいや。平成レトロはむしろパキッとした覚醒カルチャーな気がするんですが。どっちなの?
あなたはどっち派?鼻から?静脈から?

選り子

昔、特殊詐欺グループの選り子(選別業務)を行っておりましたので、その実務フローをお話したいと思います。それで精神を壊す人もいましたが、幸い自分はそこまでなる前に辞めることができました。ただ、たくさんの呪詛を浴びました。所持品が故障したり、差し歯が抜けたり、逆走自転車に轢かれたり厄災が降りかかることが多かったと記憶しております。

1.広告

募集要項を、専門誌に広告します。目的は質ではなく数ですので、年齢制限は当然ありませんし、未経験でもOKです。できるだけ心踊るキャッチコピーにします。「即デビュー」や「商品化確約」系の文句です。

また、インターネットでの活動も欠かせません。時代はWEBに移行しつつあるときでしたので、MI○XIやモバ○ゲーなどで足跡施策を実施しました。クローラーと呼ばれるエージェントソフトを使うと、不特定多数にオートで足跡をつけてきてくれます。足跡からの反響があればすぐ応募フォームのリンクに飛べるようにします。こちらのプロフィールにも魅力的な文言を羅列しておきます。

2.ソート

数週間すると、事務所に大量に応募用紙が届きはじめます。俗に言う「書類選考」という段階です。いわゆる専門誌には、付録で応募用紙がついています。だいたい大手2誌くらいなんですが、そのどちらかの用紙で送られてくることが多いです。そこから書類の山を選り分けていきます。
まずは年齢・地域でざっくり分けます。「未成年・山梨県からの応募」の様な物件はお互い不幸になるので一旦「etc…」箱にいれておきます。
首都圏・未経験者でソートして、それで量が十分ならOKです。上司に報告するには少し心許ないボリュームであれば、もう少し範囲を広げますが、まずは年齢から検索範囲を広げるべきです。場所や経験の条件で妥協すると、のちのちトラブルになります。それであれば、再度募集をかけたほうが早いです。

3.架電

ここからが我ら兵隊の出番です。選り分けた書類の山を前にして、ひたすら電話番号と名前をエクセルに転記していきます。これでだいたい1日終わります。それが終わったら、今度はガムテープで手に受話器をグルグル巻きにされます。エクセルに書かれたすべての番号にモシモシします。終わるまで帰れません。
でも知らない番号からの着信なのでたいてい出ません。運良く出てくれさえすればこっちのものです。何かを売りつけたりするわけではありません。テレアポ営業とは違いますから、難易度は低いです。1stステージはこれでクリアです。

「こんにちは!”きらめけ!エキゾガ〜ルNEXT”事務局です。応募されたスズキさんですか?おめでとうございます。8千名の応募(ふんだんに盛ります)のなか、見事1次審査通過されました。つきましては、2次審査に移りたいのですが、いまちょっとお話よろしいですか?」

「あなたは選ばれし(承認)者であり、才能(不可視)がある」ことを伝え、アポをとります。ここでまともな受け答えができる相手はほぼいません。基本的に日本語が通じなかったり、タメ口であったり、とにかく普通にアポ取りできることは稀です。家の固定電話で親が出る場合も当然ありますが、むしろラッキーと思ってください。親御さんが出られればしっかりと企画趣旨のご説明ができますし、その後の保護者確認作業もスムーズになることが多いです。
そして、対面審査を行う日付・時間のパターンを提示し、ハメこんでいきます。
モシモシが終了したら、その結果を備考欄に書き入れていきます。
「8/16 15:00頃不在 伝言残」「8/18 20:00頃不在 伝言残」 のように です。
アポ獲得すれば、いつの何時の回かを書き入れます。毎日終業後に上司から進捗確認が入ります。不在の追客は何ループしたか、アポは念押ししたか。そして日々ロールプレイをしてテレフォントークに細かいダメ出しが入ります。

4.対面審査

当然、予選通過者は面接をすることになりますが、一度にすべてのスキルチェックを終わらせることはしません。何度も通わせて認知を歪ませる事が大事です。どういうことかというと、単純接触効果みたいなものです。
「これだけ足繁く通った事務所だから、ここまできたら絶対所属したい!合格したい!」
と因果を逆転させることが重要です。基本、審査は相手の都合にあわせますから、土日に行います。朝から夜まで、1時間刻みで多いときには10マワシすることもあります。審査員役の上級スタッフはタバコ休憩が可能ですが、我ら兵隊は応募者の引率も仕事です。1グループ目の面接が終わるやいなや、急いで集合場所に行き、次の応募者グループを連れてこないといけません。名簿を見て点呼をとり、いない人には電話をして「バックレ」か「遅刻」か確認します。みすみす取りこぼす手はありません。少しくらい待たせても問題ありません。確実に1人でも多くクロージングさせなければいけません。準備としては、集合場所の張り紙、実施回別の名簿・電話番号、応募用紙のファイリング、チェックシートの作成、先輩社員に審査員役をお願いする、場所の確保、などなど・・・。この間にも架電は続けます。最後の最後まで諦めません。

5.2〜4次審査

と、ここまでのフローを3〜4回繰り返します。その都度審査内容は変えていきます。理由は先に述べた通りです。
ちなみに(私がやっていた時代なので、だいぶ古い情報になりますが)「特技:ものまね」と書いてある応募者の9割は「アシダマナダヨ」か「オラしんのすけ」になります。初めて見たかのようなリアクションが求められます。あと歌唱審査の自由曲は、たいてい特定の遠恋ソングになります。男性は中目黒系柑橘系になります。
時間短縮のテクとしては、サビの1塊だけにしてもらう、などがあります。たいてい応募者の方は緊張していますので、トップノートのピッチが当たりません。それでも阿久悠ばりに目を閉じ難しい顔をして聞き入って、「はい。だいたいわかりました。ありがとうございます」とお礼を言うことが重要です。2次審査以降の通過率は100%ですが、4〜5割バックレて音信不通になります。鬼電をかけて追客します。上司に激詰めされます。

6.クロージング

最終審査のアポ取りをします。最後は場所を変えます。アポまでとってリストを完成させたら、兵隊の役目は終了です。あとはトレーナーが特殊話術を用いて「特待生」「入会金無料」「研修生」などと、時にはスピリチュアリズムも交えながら口八丁手八丁でクロー(文章はここで途切れている)

多動力

意識の高い人。テック系の人。カタカナいっぱい言う人。タクシーの動画に出てくる感じの幻冬舎の養分やってるような人。わたしが言うのもどうかと思いますが、常々、虚無のビジネスマン系の人。多動力系男子ね。
とある虚無兄ちゃんがいまして、今日はその無能の小噺をひとつ。

虚「ご無沙汰してます!最近元気してました!?久しぶりにお茶でもどうでしょうか!軽い相談もありつつ」

私「お疲れさまです!お茶しましょうぜひ!いつにしましょう?スケジュールあわせますよ!」

虚   既読

???????? なんで??????いや誘ってきて。「軽い相談ありつつ」?
スケジュール聞いたら既読スルーナンデ????
あなたに合わせるって。俺なんか変なこと言った?すごいでしょ。実話ですよ。

と、困惑していたのも忘れかけてた1年後の昨日、なんとザオリクLINEが入電!
乗った便がバミューダトライアングルに飲み込まれて昨日着陸でもしたのでしょうか。
当たり前のように連絡がきました。この鈍感力こそベンチャースピリット。
いや普通に社会人適性おわってるだろ。

虚「ご無沙汰してます!最近はNFT関連をやってて。お茶しませんか!」

私「お疲れさまです。来週か再来週あたりで如何でしょうか。」

虚 「リモートでしたら、◎日、リアルでしたら■日とかどうでしょう!」


私「■日でしたら大丈夫ですよ。」

虚「お、リアルでやりますか!15:00くらいで!では当日また!」

リモート???お茶で???今普通なのそれ?あんまリモートでお茶はしたことないんですよね私。遅れてるのかな。NFT関連っていうのもすげえ香ばしいし。お茶だけに。
まあ、でもスケジュール候補の返信が来ただけも、感謝せねばならんのでしょう。

だいたいNFTなどで話すことなど私には一切ありません。ブロックチェーンの仕組みや、ハッシュ化のこと、トランザクションの記録の仕方、スマートコントラクトやコンセンサスアルゴリズムのこと、ざっくりは本で読んで、NFTというものがあること、所有権をブロックチェーンにのせる。など、諸々かじった程度ではありますが、それを調べたり色々読んだり見たり聞いたり、喧伝している人間の属性など、あらゆる周辺事象をすべて俯瞰した結果、これを「眉唾モノだ」と判定しました私は。なぜなら、私は真先にこれを悪用した詐欺を思いついたからです。

ただ、瞳孔の開ききった人間が話す「音楽×NFT」とやらを、しっかり聞かない事にはDISすることもできないわけですから、まあいい暇つぶしだなと思って、胸高鳴らせて「お茶」前夜を迎えたわけです。

虚「すみません!明日ちょっと1時間はやめたりできますか・・・!?」

私「大丈夫ですよ。では、14:00で!」

当日の朝。

虚「すみません!!今日14:00厳しそうで、またご連絡させて頂いてもいいですか・・?

私「ええ。大丈夫ですよ」

虚 既読

は?すごくないこいつ?多動力高すぎでしょ。笑っちゃったよ。全部お前が決めた日時だよ。
思わずスクショして共通の知人に送ったら、その人も同じ目にあってたらしく、
「あぁ。それね。おれ。もう連絡きても無視してますよ」とのこと。ほうぼうでやってんだな。
流石だよね。このLINEのスクショNFTつけて売ったろか。これ実話ですからね。

ちなみに、じつはこの虚無の上司にあたるオッサンとは浅からぬ縁がありまして。こいつの上司は音楽プロデューサーとしてあるバンドをプロデュースしてました。私はそのバンドが好きで曲も買ってました。で、そのボーカルは外国人なので、ビザの関係で一度帰国せねばならなくなりました。クラウドファンドで再入国の資金を募っていたので、私は課金しました。返礼品として「楽曲データ・サイン入りのカード」とあります。大した額ではありませんが応援する気持ちと曲が聴きたいのでアルバム一枚分くらい払ってもいいと思って課金しました。
そして、、、、、アルバムが送られてくるのを待ち続け10年が経ちました。今年も冬がきます。

マツケンサンバ

がクワイエットストームでいきなりかかったらビックリしますね〜?例えば夜中、FMココロなんかを流しながらクールにタバコを吸いながら高速走ってたとしましょうよ。ボビーコールドウェルかなんかの直後にマツケンサンバが流れたら、目ん玉飛び出ますよね。車線からはみ出ちゃいますよね。危ないよね。(ちなみに叩けボ〜ンゴ の「ボンゴ」はサンバでは使わないらしいっすよ)
水ダウでたまにやってる「マツケンサンバでは泣けない説」、これ。1つ思いました。
ニコ動のMADとかのネットミームでよくみる「地球に巨大隕石が衝突するCG」あれわかります?
あれにマツケンサンバ重ねるとちょっと切ない気がします。要は、アルマゲドンのエアロスミスと基本的な機能は一緒です。
例えば…
人類滅亡が確定した地球。人類の叡智を結集しても映画の様にはいきませんでした。避けられない衝突です。広い宇宙の出来事からしたらごく自然のことです。と諦めてる科学者もいる有様。最期を受け入れるしかない人類・・・。
巨大隕石の衝突まであと数時間。とりあえずテレビをつける。地上波では各局「地球最後の日」という特番が流れており、宇宙ステーションのライブ映像、これまでの輝かしい栄光と人類史を振り返るドキュメンタリー、原点に帰ったフジテレビは楽しくなければテレビじゃないので火薬田ドンを復活させ、花火を打ち上げている。NHKでは紅白的な歌番組が生放送中。大トリをつとめるのは我らがマツケン!「さぁみなさん。お別れの時間が近づいて参りました!最後にみんなでマツケンサンバを踊りながら死を迎えましょう!来世でまた会いましょう!それでは、皆様ご一緒に !!」L字型のテロップには「巨大隕石到達予想時刻まで」のカウントダウン。もう隕石が来るときは「にげて!」とは書かない。だってどこに逃げればいい?逃げ場など無い。地球はあと数分で終わるのだから。壮大なフルオーケストラをバックに日本の全ミュージシャンがマツケンの脇を固める。全芸能人が総出で泣きながら踊るマツケンサンバ。どうですか。涙なしには溶鉱炉沈めないでしょう!